【皇室御用達】辻精磁社 — 余白と静謐が語る、有田磁器のもうひとつの品格

皇室御用達
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有田の地で受け継がれる、精磁という思想

**辻精磁社**は、佐賀県・有田の地において、磁器づくりを続けてきた窯元です。
有田焼と聞くと、華やかな絵付けや色彩豊かな意匠を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、辻精磁社の器は、その対極ともいえる静かな佇まいを特徴としています。

同社が大切にしてきたのは、「精磁」と呼ばれる、極めて純度の高い白磁の世界。装飾を削ぎ落とし、形と質感のみで美しさを語る——その姿勢は、日本の美意識の奥行きを静かに体現しているように感じられます。

控えめであることが、信頼につながるという価値

辻精磁社の器は、強い主張をすることがありません。
しかし、その“控えめさ”こそが、格式や品位が求められる場面において、長く信頼されてきた理由のひとつではないでしょうか。

白磁の均整の取れた形、光をやわらかく受け止める釉調、手に取ったときの軽やかさ。どれもが過不足なく整っており、使う人や盛り付ける料理を引き立てることに徹しています。
前に出すぎないからこそ、場を壊さない——そんな安心感が、辻精磁社の器には宿っているように思われます。

素地と形に向き合う、誠実なものづくり

白磁の質が生む、静かな存在感

辻精磁社の白磁は、不純物の少ない磁土を用い、高温で焼き締めることで生まれる、澄んだ白が特徴とされています。その白は冷たさを感じさせるものではなく、どこか温度を含んだような柔らかさを帯びています。

釉薬の厚みや焼成の加減によって生まれる微細な表情は、工業製品にはない揺らぎを持ち、見るたびに異なる印象を与えてくれます。日常使いの中で、ふとした瞬間にその美しさに気づかされる——そんな器です。

用の美を支える、端正なフォルム

辻精磁社の器は、形そのものが非常に端正です。
縁の立ち上がり、底の安定感、重ねたときの収まり。どれもが、使われることを前提に丁寧に設計されている印象を受けます。

和の食卓はもちろん、洋の料理や現代的な盛り付けにも違和感なく寄り添う懐の深さは、装飾に頼らないからこそ生まれるものなのかもしれません。

日常から改まった席まで、静かに寄り添う器

辻精磁社の白磁は、特別な日のためだけの器ではありません。
むしろ、日々の食卓で使われ、重ねられ、洗われ、また使われる——その繰り返しの中で、器としての完成度がより際立ってくるように感じられます。

同時に、改まった席や大切なもてなしの場においても、決して軽く見えることはありません。装飾がないからこそ、場の空気を乱さず、料理や人の存在を引き立てる。そのバランス感覚こそが、辻精磁社の真価と言えるでしょう。

まとめ

辻精磁社の器は、語りすぎない美しさを持っています。
白磁という最もシンプルな表現の中に、技術、経験、そして有田の歴史が静かに凝縮されている——そんな印象を受けます。

華やかさではなく、整いと余白を大切にしたい方。
料理や空間を主役に据える器を探している方にとって、辻精磁社は、長く信頼できる選択肢となってくれるはずです。
最後に——日常を少し丁寧に整えたいとき、ふと思い出して手に取りたくなる、そんな白磁です。

※画像出典:辻精磁社 公式サイト(https://tsujiseijisha.jp/)