【皇室御用達】川島織物

皇室御用達
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川島織物――日本の織物文化を支えてきた名門

京都に本拠を置く株式会社川島織物セルコンは、日本の織物史を語るうえで欠かすことのできない存在として知られてきました。
創業は明治初期。西洋文化が急速に流入する時代にあって、日本の美意識と高度な織物技術を融合させることに挑み続けてきた企業です。

その歩みの中で、川島織物は室内装飾用の織物、舞台緞帳、帯地など、多岐にわたる分野で評価を積み重ね、日本の織物文化を現代へと橋渡ししてきた存在とされています。

宮内省御用達――国家的空間を彩ってきた織

川島織物の名を特別なものとしている理由のひとつが、宮内省御用達としての歴史です。
明治期に建てられた明治宮殿の室内装飾をはじめ、国家的な迎賓空間において、川島織物の織物が用いられてきたことは広く知られています。

それは単に豪華であるからではなく、「長く保たれる品格」「空間全体との調和」「日本的美意識の翻訳力」といった点が、高く評価されてきた結果とも言えるでしょう。
近年開催された関連展示では、明治宮殿と川島織物の関係性が紹介され、改めてその歴史的価値に光が当てられました。

技術と意匠――織物を“文化”として捉える姿勢

川島織物の特徴は、織物を単なる素材や装飾品としてではなく、「文化を伝える媒体」として捉えてきた点にあります。
伝統的な綴織や緞帳織の技法を守りながらも、西洋の図案構成や色彩感覚を柔軟に取り入れ、日本独自の室内装飾文化を形づくってきました。

その姿勢は現在にも引き継がれ、現代建築や公共空間、劇場などにおいても、川島織物の技術は静かに息づいています。
目立ちすぎず、しかし確かな存在感を放つ――そうした織物は、空間そのものの格を一段引き上げる役割を果たしてきたと評価されています。

用の美としての織物――日常と格式のあいだで

川島織物の仕事は、必ずしも非日常の空間だけに留まりません。
帯や室内用テキスタイルといった分野においても、「使われ続けること」を前提とした美しさが追求されてきました。耐久性、触感、視覚的な落ち着き。そのすべてが過不足なく整えられている点に、老舗としての矜持が感じられます。

贈り物や記念品として選ばれる際にも、華やかさより「背景」を重んじる方に支持されてきた理由は、こうした思想にあるのかもしれません。

おわりに――織の先にある時間を贈るということ

川島織物は、流行や即時性とは異なる時間軸で語られる存在です。
一朝一夕では築けない信頼、積み重ねられた技術、そして国家的空間を支えてきた実績。そのすべてが、一枚の織物の中に静かに織り込まれています。

節目の場に、あるいは長く使い続ける品として。
「理由のある織物」を選びたいとき、川島織物という名前は、そっと思い出される存在であり続けているように感じられます。

画像出典
・株式会社川島織物セルコン 公式サイト
 https://www.kawashimaselkon.co.jp/
・川島織物セルコン 公式イベント・展示情報
 https://www.kawashimaselkon.co.jp/info/event/